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展覧会の感想、適応障害で休職中の日々の日誌など。気持ちの揺らぎを見つめて自分のハンドリング方法を模索しています。

ミュシャ展 運命の女たち@静岡市美術館①《スラヴ叙事詩》と《スラヴィア保険会社》

先日の大阪旅行で、新幹線に乗ってしまえば疲れてしまっても何とかなるということに気づいたので、思い切ってミュシャ展 運命の女たち@静岡市美術館に行ってきました。
予定が立て込んだり気分の波が安定しなかったりで、行けるかどうか微妙だったんですけど何とか会期にギリギリ滑り込みセーフです。

公式サイトはこちら。7/15日までの開催です。
「ミュシャ展」|静岡市美術館
平日のお昼時に行ったのでのんびりと、かなり近くで作品を観ることができたので大満足です。

ミュシャ展@国立新美術館(2017)の話

今回のミュシャ展のアイキャッチにもなっている作品はポスター「《スラヴ叙事詩》展」です。
ミュシャの娘ヤロスラヴァがモデルになっています。

ポスター「《スラヴ叙事詩》展」1928年

こちらのポスターをぱっと観たときに、色使いが「スラヴ叙事詩」の最後にあたる《スラヴ民族の賛歌 スラヴ民族は人類のために》と似ているように感じました。

「スラブ叙事詩」より《スラブ民族の賛歌 スラブ民族は人類のために》1926年、プラハ市立美術館
(ミュシャ展@国立新美術館にてiPhoneで撮影)

色使いが似ているというのは同じ画家が描いているので当たり前といえば当たり前なんですけど、ポスターを観ておおっと思いましたね。

今回の静岡のミュシャ展で、《スラヴ民族の賛歌》上部の男性の両腕から垂れ下がるリボンを想起させる作品を見つけることができました。

ポスター《スラヴィア保険会社》1907年(部分・ポストカードをiPhoneで撮影)

このリボンの装飾、見事としか言いようがないですね…保険会社のポスターがこんな豪華なんですよ。
すごい時代ですね。

そして東京のミュシャ展で観て好きになった《ヒヤシンス姫》とも再会できました。

ポスター《ヒヤシンス姫》1911年

少し強気な眼差し、直線的な王冠やかざした手に持つ飾り輪、緩やかな衣服の対比がたまらないですね。

今回の解説で知ったのですが、元々このポスターはバレエ・パントマイム作品「ヒヤシンス姫」のために描かれたもので、チェコ人女優アンドゥラ・セドラーチェコヴァーという人物がモデルになっているそうです。
また、背景の青い装飾円の部分には鍛冶屋の道具が描かれていて、鍛冶屋が自分の娘がヒヤシンスの姫になるという夢を見る、という「ヒヤシンス姫」のストーリーを暗示しているとのことでした。
装飾円の左側に図案化されたトンカチが見えますが、言われないと気づかないぐらいさりげない仕掛けですね。

ミュシャ自身の生涯を振り返ると、アカデミックな「画家」としてのキャリアを諦め、生活のために恐らく不本意にポスターやポストカード、カレンダーや挿絵などを手がけるようになったようです。

ですが、このようなさりげない仕掛けを盛り込んでいるところを見ると、相当にプロ意識の高い人物だったんだろうなと思わされますね。

長くなりそうなので続きはまた別のエントリで。
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