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展覧会の感想、適応障害で休職中の日々の日誌など。気持ちの揺らぎを見つめて自分のハンドリング方法を模索しています。

参考文献・論文探しのために事典を使う

今回は、個人的な資料や参考文献の収集の方法についてと、ストレングスファインダーで原点思考が3年経っても全く揺らがなかったことを機に開き直って厳つい事典を買いましたという話です。
(読書カテゴリに入れていいのかどうか微妙に迷いました…)

ストレングスファインダーのTOP5はこちらから。
上位群も結構面白めです。

資料・参考文献の探し方

大学1年生の基礎ゼミ的な授業で、何かを調べる時は最初に当たる資料として事典を使うといいと教わって以来、調べ物はとりあえず事典から派になりました。

・まずは調べたい項目を引いて要約する
・項目の中に書名があればそれも資料として読む
(だいたい引き合いに出される本=読むべき古典的な先行研究本)
編集委員や翻訳、執筆者の著作を優先して探すと参考文献が見つかりやすい
・↑の本の参考文献リストからさらに別の本を辿ると情報の精度が上がる
・可能であれば複数の事典を引き比べる

レポートや論文を書く時は、だいたいこんな手順で調べ物をしていました。

これだと図書館内の蔵書検索よりも予期せぬところまで資料を繋げていけるので、この方法を教えてもらえて良かったなと思っています。
文献の信頼度も確認できますし、キーワード検索で手当たり次第探すよりは効率もいいと思います。
ただしやろうと思えば際限なく資料探しができるのでどこかで線引きは必要です。

複数の事典を引き比べるということに関しては、少しマニアックな域に突っ込んでる気も無きにしも非ずですね。
中学の頃の国語の先生が辞書をあえてひとつのものに指定せず、ひとつの言葉を何人かの辞書で確認するということを大切にしていたことが印象に残っているからかもしれません。

(ちなみに、Wikipediaは下調べの下調べくらいの感覚で結構使っています。
参考文献の項目がしっかりしている項目であればざっくり定説は確認できますし、運が良ければciniiで参考文献を書いた人の論文に無料でアクセスできることもあるので、インターネットは本当に偉大です)

で、せっかく展覧会のことも扱うブログを始めたので、思い切って私が大学時代に使っていた事典を2冊買ってしまいました。
超・ニッチではありますが紹介させてください。


佐々木英也監修『オックスフォード西洋美術事典』(講談社)

こちらは定価で買うと20000円以上するみたいなのですが、今回はAmazonの中古で2500円(税・送料込みでポイント一部利用)で購入できました。
しかも帯付きです。
インターネットは本当に偉大です(2回目)

開封した瞬間、いわゆる「図書館のあんまり動きのないフロアの匂い」がぶわっと立ち込めてきてなんだか懐かしくなりましたね。
匂いは中古ですが要するに図書館の匂いなので慣れれば問題なさそうです。

卒論にはこの事典の他に、分冊になるくらいのボリュームの事典も使っていましたが、何だかんだ1冊で完結していて内容も幅広く使いやすかったのが『オックスフォード西洋美術事典』でした。

例えば「ロマン主義(美術における)」と引くだけで、モノクロの図版も込みで約4ページに渡って記述があります。
そもそものロマン主義(Romanticism)と言う言葉が意味を持つまでの過程や、美術における各国での展開まで一気にまとめて知ることができます。

こんな感じのテンションで4ページ。
個人的には萌えますし燃えます。

監修、編集委員、翻訳・執筆者は大体冒頭に書いてあるので、ここから文献探しを始めます。
どの事典もこういうページは絶対にあるので、必ずメモで手元に残しています。

(たまに美術特集の雑誌でこういう先生方のお名前が見つかると嬉しくてニヤニヤしてしまいます)

ジェイムズ・ホール著、高階秀爾監修『西洋美術解読事典―絵画・彫刻における主題と象徴』(河出書房新社)

こちらはもう少しピンポイントな事典。
私の主な切り口であるイコノグラフィー(図像解釈学)に取り組むために使っていた事典です。こちらの記事における、アカンサスや蜂についての意味をさらに詳しく調べるような時に使います。
(たまたまアカンサスも蜜蜂もいまひとつ外したので直接の参考文献には入れなかったのですが、蜂と間接的に対応する百合の紋章についての記述は興味深かったです)

あと、「聖母子」のようなキリスト教関係の作品はこちらの方が細かく載っていることが多いので、そういう場合は『オックスフォード』よりも初めからこちらを攻めます。
これも中古で、ありがたいことに定価の2/3価格で買えました。

こういう「描かれたモティーフには付随する意味や意図があることがある」という絵画の魅力に取り憑かれて、音楽学から西洋美術史(あと美学)に転向したんですよね…
なのでこういう事典は何冊でも読んで照らし合わせます。
この事典は自分の卒論でかなり使った記憶があったので手元に置くことにしました。

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自分で書いてて思いましたが、完全に原点思考×内省×着想×収集心が爆発した調べ方ですね。
学習欲、最上志向辺りも噛んでる気がします。
個人的に、信頼できる最初に当たる資料が手元にあるだけで、アウトプットのためのインプットの質がかなり向上するので、思い切って買って良かったです。
私が気になりがちな「そもそも」が思い立ったらすぐ分かるので楽しいです。

とりあえずこの2つの事典と以前のプーシキン美術館展の記事の参考文献で挙げた、石鍋真澄千足伸行他『新西洋美術史』(西村書店)で、初期に当たる資料には困らなくなりそうです。
これでもっといい記事をもう少しタイムリーに書けるようになりたいですね。