placebo

展覧会の感想、適応障害で休職中の日々の日誌など。気持ちの揺らぎを見つめて自分のハンドリング方法を模索しています。

29歳児と25歳児のいちごの話

お題「いちご」

適応障害関係の記事では、夫を非常に悪い奴だと書いている自覚がある。
でも長らく付き合って結婚したし、なんだかんだ人生の1/3は夫ありきの人生なので、今さら欠くことはできない存在だと思っている。

新年度を迎えるまで、夫の直属の上司はいわゆる猛烈な方だった。
夫から話を聞く限りでは、遅くまで残業してでも今日やるべきことを終わらせたいタイプ。
仕事が終わらなければ自分主催の飲み会があっても飲み会を欠席して仕事を終わらせるような方だった。
自分の仕事だけでなく部下の進捗も管理したいタイプだったため、夫にも自分と同じペース、同じやり方で仕事をすることを求めていた。

恐らく、真面目で責任感が強く、面倒見がいい方なのだと思う。
さらに推測を重ねて申し訳ないが、仕事が好きでかつ優先順位が高い方なのだろう。
私のいる業界よりも夫の業界は堅めなので、その責任は相当なものだと思う。
なんだか私のかつての上司に似ている気がするなと思っていたら、夫の前任者はメンタルがやられ、その空きに夫が入った形なのだそうだ。

私も私の周囲も、夫は基本的にスーパーポジティブハッピー人間だと思っているし、夫本人も多分そう思っている。弱音は滅多に言わないし規則正しい生活ができているのでメンタルが強い。メンタルコントロール能力が高い点は素直に羨ましいし尊敬している(まあ、たまに裏返って憎む瞬間もある)。

そんな夫が、年度末が近づくにつれて「朝起きたくない」「自分の裁量で帰れないのが辛い」と漏らすようになった。その状態がよく分かるだけに私は不安になった。
自分もメンタル不調だけど、なるべくお互いを傷つけないようにしようと心の中で唱えながら暮らすことを心掛けることにした。

ある日の夕食後、夫が珍しくわがままなことを言った。
「俺の疲れが取れないのはまだ今年に入ってからいちごを食べていないからだ」
突拍子もない。29歳児だね、とげらげら笑ったけれど、いちごで気持ちよく暮らせるなら喜んで協力しようと思った。
私も1人暮らしの頃はむしゃくしゃする度に高い牛肉を買って焼いて食べたり、塩豚を塊で作って煮込みまくったりしていた。
なので美味しいもので気持ちをアゲる作戦が有効なのはよく知っている。

そういうわけで、次の日に早速いちごを買ってきた。

実際にいちごで元気になったかどうかは本人にしかわからないことだけれど、とにかく喜んで見せてくれたのでほっとした。
にこにこしている夫の姿が嬉しかったので、自分の分から2つ追加であげた。
仕事柄、嗜好品が誰かの元気の素になり得るということを私は自分でよく知っているため、少し胸が苦しくなったのは夫には秘密にしておこうと思う。
夫には私の代わりににこにこしていて欲しい。

ところで、カフェを愛する人間としては、愛するスタバのいちごのフラペチーノが出たと聞けば無条件に一度は飲みたくなる。
(長らく働かせてもらっていたので新商品はひと通り試したい)
日頃はコーヒー派だけど、ここから秋口までのフラペチーノはいつも美味しいと信頼している。
今年はストロベリーベリーマッチフラペチーノなんですね。オーダーで噛みそうだ。でも飲みたい。

「ねーねー、この前いちご買ってきたじゃない?
私もいちご食べたいなー、フラペチーノの方だけど」

私は25歳児として少し期待して29歳児におねだりをしてみたが「高いからだめ」とすげなく却下された。
残念。
仕方がないのでちょうど溜まっていたRewardのチケットで自分で買いにというか引換えに行った。
やっぱり自分のメンタルは自分でハンドリングしろってことか。前途多難だ。

まあこの件は、なんだかんだ自分は結構夫のことを大切にしたいんだな、とそこはかとなくメンタルをアゲてくれる話なので、フラペチーノくらいは自分で飲めばいいやとも思う。

フラペチーノは問題なく美味しかったので、売り切れる前にもう一度飲みたい。
できれば夫にも少しあげて、本物も美味しいけどこっちも美味しいねと言って欲しい。